
会長挨拶


第64回日本小児股関節研究会
会長 鬼頭 浩史
(あいち小児保健医療総合センター・副センター長)
このたび、第64回日本小児股関節研究会を2025年6月19日(木)〜20日(金)に愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で開催させていただきます。伝統ある本研究会を運営する機会をいただき、大変光栄に存じます。
テーマは「伝統の継承と未来の創造」です。「一生涯にわたり良好な股関節機能の獲得」のため、先人達のすばらしい伝統を継承しつつ、斬新で画期的な治療法を創造していくことを目指し、このテーマとしました。乳児股関節脱臼の保存的治療をはじめ、種々の効果的な股関節周囲の骨切り術など、小児股関節領域における本邦の先人達の業績はすばらしく、今一度それらを振り返る必要があると思います。一方で、奇形性股関節脱臼や年長児ペルテス病、不安定型大腿骨頭すべり症などに対する治療では多くの課題も残されており、その壁を打ち破る新しい発想でのアプローチも求められています。本研究会が少しでも小児股関節診療の発展に寄与できれば本望です。
偉大な先人を代表して、あおぞらファミリークリニックこども整形外科センター長の服部義先生にご自身の豊富な経験に基づいた、実践的かつ教育的な特別講演をお願いしています。ランチョンセミナーは希少難病ではありながら治療薬があり、早期診断が鍵となるムコ多糖症に関して小須賀基通先生に、長年の臨床経験に基づいた包括的な小児股関節疾患に関して滝川一晴先生にご講演していただきます。シンポジウム「小児期発症の大腿骨頭壊死症」「脳性麻痺児の股関節亜脱臼治療―歩くこどもの手術・装具療法―」「DDHに対する牽引療法の実際」では、それぞれの分野でご活躍の先生方にお集まりいただき、集中討議をしていただきます。また、1か月健診を主題として取り上げ、スペシャリストの先生方によるDDH診療の変革、展望など、タイムリーな議論も楽しみです。本研究会の「きも」である症例検討会では、個別の困った症例について忌憚のないディスカッションを期待しています。ご発表いただく73題すべての先生方に心より深謝申し上げます。
初日の夜には、翌日に差し障りない程度に全員懇親会と二次会を準備しております。懇親会では東海地方の名酒を味わいながら、二次会では名古屋めしに舌鼓を打ちながら、地域や経験年数の垣根を越えたざっくばらんな無礼講をお楽しみいただければ幸甚に思います。多くの先生方と名古屋でお会いできることを楽しみにしております。